憂慮の宵に

キノールさん無断で借りた②

さっきのより短いです。

少し暗いホモ。

 

行かないで。

……君のためだよ。

独りぼっちは嫌だ。

……君には愛してくれる人がいるだろう。

嫌だ。嫌だ。貴方が側にいなきゃだめだ…

 

 

***

 

 

鼻の奥がつんと痛い。

だんだん恐ろしくなり、飛び起きる。

撥ね除けられた布団は彼の愛する人へ向かって翻り、叩き付けた。

「んぐぅ」

すぐ隣で呻き声がした。ジャックは呼吸を乱し、隣で眠っている愛しい人にそっと、手を伸ばす。

「…ずっと、僕の側に、いてくれますか」

当たり前じゃないか。そう言って呆れた様に笑う彼の顔が目に浮かぶ。

違うんだ。気休めが欲しいんじゃない。

眠っている彼の頬に触れ、静かに手を引っ込める。

起こしてしまっては可哀想だ。

「…僕は…すごく怖いんだ、キノールさん」

涙に声を震わせながら、すやすやと寝息を立てる彼の手をそっと握る。きゅ、と握り返す感触を手の平に受けながら、ジャックはふっと頬を緩ませた。

「ずっと……ずっと…」

震える語尾に自嘲しつつ、ただ彼の細い手を、狂おしい程に優しく握り締める。

僕には彼を束縛する何の権利もない。

だけど。

「本当に…大好きなんだよ…側にいてくれなきゃ…」

依存しすぎているのだろう。それでも構わない。

 

僕は……誰よりも、何よりも、貴方を愛してる。