結集編

百花斉放、村崎継承歌 2《結集》

軒吊家は代々、忍しのびとして菖蒲様一族にお仕えしてきた。 しかしまぁ、今代邸主の何と美しいこと…。 父は隠居の身、その上血を継ぐ男児は彼のみ。故に頂点へと成上がるのは必定の理である。 しかし、当の本人は憂いに沈むばかりだった。 「如何なさいまし…

百花斉放、村崎継承歌 1《結集》

世はお江戸、色も酣。 菊塵の袖にて口元を隠し、恍惚として微笑むその姿は妖しき女子おなごの如く。 「美しい」 盛りを終え散りゆく桜に、邸の主は顔を綻ばせた。 見上げる空に散る花弁。薄青に桜色がよく映える。 ひろい庭の隅、石池にまで降り注ぎ、数え切…